夢を見た

彼女が土手を男と一緒に歩いている。その顔は世界で一番幸せそうだ。自分が見たことの無い顔・・・
自分はどこか遠くでそれを見ている。見ている、だけ。
手を延ばしても、届かない。逆に、遠ざかる。
―――マッテ―――
彼女はどんどん遠くなる。
耳鳴りが、する。うるさい。自分の声も聞こえないほど。
やめてくれ、こんなのはイヤダ・・・
・・・・・・。
そこで目が覚める。いや、正確にはカラダは覚めてない。
動かない・・・動けない。
気持ち悪い。吐きそうだ。恐怖とも悲しみとも似つかないプレッシャーが襲う。
また、か。はやく、朝になってくれ。
そうすれば、楽になれるのに―――。